モーニング娘のプロデューサーであるミュージシャンの「つんく」さん。今は癌で声を失くしてしまいましたが、十数年前、テレビ番組のドキュメンタリーで人気絶頂のモーニング娘のレコーディングに立ち会ったときに、こんな指導をしていました。とても印象に残っているのでご紹介します。
「声を張り上げて歌えばいいってわけじゃない。語りかけるように、音を置くような感じで」
すばらしい表現ですね。だから「つんく」さんの歌は聞く人の心に残るのでしょうね。
耳に届いた言葉は聞き流す。心に届いた言葉は受け止める。
ある駅に勤める駅員さんの話をします。その方が新人のころの話。終点に着いた電車の中で、あるお客さんが酔っぱらって寝ていたそうです。そういう人を無事に帰すのも駅員の仕事。一生懸命身体をゆすり声をかけます。
「お客さん、終点ですよ」
ぜんぜん起きません。酷い時はなぐられることもあったそうです。そう、届いたのが「耳」だったからうるさかったのかもしれませんね。そこで、経験を積み重ねた駅員さんが見つけた言葉は、
「お客さん、そんなところで寝ていると風邪をひきますよ」
ほとんどの人が起きてくれるようになったそうです。そう、届いたのが「心」だったから。
相手を気づかう言葉は「心」に届き、人を動かすのです。
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